.:*:。 タチの男・゚:*:・'°

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「はあ…」 昼休み――― 会社近くの中華料理屋で、俺は一口食べた途端、でっかいタメ息を吐いた。 「マサさん、どったの?今日の日替わり、大好きな酢豚が入ってるってのに……」 目の前に座る、茶髪で少し長い髪を一つに束ねた町田が目をぱちぱちと瞬かせた。 「明日、新入社員様が来る……」 「へえ~、いいじゃないッスか。俺は下に増えれば嬉しいッスよ。マサさん、俺より若い?」 町田の隣に座る、金髪に近い色の短髪の杉野が呑気に酢豚をつついて笑った。 「スギより……一緒かイッコ下かな?」 「へっ、上だろうがお構い無しに噛みつくだろ……他人の歳心配するなら、てめえがミスってクビにならねえように気を付けろ!今日だって危なく……」 「マチさん!しーっ!内緒にしてくれるって言ったっしょ!」 そんなやりとりをしている中でも、俺はまたタメ息を吐く。 「何か問題でも?」 「社長の甥っ子だとよ。しかも、俺が個人教育長……“長”が付くから胸を張れってよ、ははは……」
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