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「借金は……まだ…」
「もうナシだって、マチ。ってか……親が老後の蓄えで一発完済してくれた。その時になって、初めて自分が“ダッセ~”って思った。親に借りた分も、職を転々としながらなんとか返した」
大好きな酢豚をやっと味わいながら、杉野を軽く睨む。
「自分の手の中以上は、手を出すなよ」
「わかったか?ちゃんと聞いとけよ♪」
でかい図体をして拗ねている杉野の頭をパシリと叩き、町田は柔らかく笑い俺を見た。
「マサさん、俺らでできることあったらサポートすっから。あんま難しく考えないでいこうよ」
「そうそう、俺が先輩としてガツンと…」
「どうすんだよ?ソイツがそれが原因でケツ割ったら、スギの給料50%カットってことで、明日から頼んだぞ」
「マチさん!俺だけリスク負うの不公平ッスよ!ねえ、マサさん」
二人のやり取りになんだかホッとしながら、どうにかなりそうな気がしてきた。
少しは、イイヤツであってくれたら……
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