第1章

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上京して、半年。 OLの山中百合子(やまなか ゆりこ)は都内のマンションの一室を借りて一人暮らしをしていた。その日も百合子はいつも通りの時間に家を出て、仕事場へ向かった。 仕事場へ着くと同僚の宮下千鶴(みやした ちづる)が声を掛けてきた。 「おはようございます、山中さん」 「おはようございます」 「山中さん、最近は大丈夫なんですか?」 「何の事ですか?」 「ほら、あのストーカーの事よ」 百合子は「ああ、あの事か」と言うかのような顔をして、その後ひきつった笑顔でその事について答えた。 「あれはもう大丈夫とは思うけど・・・ね」 百合子は数週間前に見知らぬ男にストーカーの被害にあっていた。 警察にも相談したが、少し見回る程度で百合子は不安に思っていたが、最近になってそのストーカーの姿を見る事が無くなったので少しは見回りの効果があったのだと胸を撫で下ろしていた。 「そっかー。うん、良かった良かった! 山中さんにとりあえず何も無くて」 「そうですね」 百合子はその後もいつも通りに仕事をした。そして、夜8時になり、家路に着くことにした。
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