第1章

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ゲイバーの世界を知ってから、私はすっかり2丁目にのめり込んでしまった。 2丁目の中には、女性入店お断りと完全男性のみのお店もあるが、このお店は老若男女ウェルカムな気さくなお店だった。 ゲイ8割ノンケ2割といったところ。 はじめはお姉さま方について一緒に行っていたが、そのうちに一人で飲みに行けるようになった。 ゲイということで、女に興味がないし、身の危険を感じないので気楽に飲めた。 足を運ぶうちにだんだんと顔なじみになり、知り合いが除々に増えゲイの友達もできた。 中国出身のヨン。 携帯会社のサポートセンターで通訳の仕事をしている。 通訳に就いているだけあって、流暢な日本語でカラオケも上手だった。 そこ等にいる日本人よりレパートリーが広く、Jポップからムード歌謡までよく知っている。 若い子の歌よりも、古い曲を好んで歌っていた。 女性アーティストばかりで切ない曲が多く、たそがれマイ・ラブ、ミスティ・トワイライト、9月の雨 高田みづえも良く歌っていた。 いつそんな歌覚えたのよ?って歌が多かったが、私も昔の曲のほうが好きだ。 昔の曲は、詩がなんとも切ない。
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