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触れ合ってないない! 仕事の出来なさに呆れて叱り飛ばしつつ、たまぁに褒めていただけだ! ――というか下田ってドM!?
「んもぅ、気持ちを抑えることが出来なくなったのでこの機会に、是非とも僕のことを知ってほしいなと」
「はぁ……?」
これ以上バカな部下のことを知っても、特にもなりゃしない。
ばら撒かれた状態のするめそーめんが放つ異臭に眉根を寄せながら、仕方なく下田を見ると、ずいずいっと膝を摺り寄せて近づいてきた。
「今夜、抱きたいんです」
「……ダメに決まっているだろ。私は男だ、そういう対象じゃない」
「僕にとって、安田課長がそういう対象です。だから、ほら――」
強引に左手首を掴んで、下田の下半身にあてがわれてしまう。
「!!」
「ははっ、安田課長のその色っぽい姿を見ただけなのに、こんなになっちゃったんですよ。だけど普段でも、簡単に勃っちゃいますけどね。その薄い唇からため息が漏れたり、ネクタイを縛り直す血管の浮き出た、色白でキレイな手を見ただけで、僕は欲情します」
下田から放たれる、そら恐ろしい台詞の羅列に、頭がぐらぐらしてきた。それだけじゃなく、左手で触れさせられている大きくなったモノから伝わってくる鼓動が、何故か自分の鼓動とリンクしていて、更に恐怖心が煽られていって。
「ヽ(ヽ ̄□ ̄))))) ヒイィィィ!!!」
掴まれていた腕を振り解き、するめそーめんを蹴散らしながら、慌てて立ち上がり逃げ出した。
息を切らして全力で逃げたのに、布団の端っこに足を見事に引っ掛け、その場にうつ伏せでばたりと倒れこんでしまう、愚かな自分。
なんてこった――
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