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起き上がろうとした刹那、逃がさないという勢いでさっと跨ってくる下田。
「ピンク色のバスローブ、すごく似合ってますよ安田課長」
耳元でわざわざ告げながら、両腕をがっちりと掴まれてしまった。
それだけじゃなく布越しでも分かるくらいに大きくなったモノを、尻にごしごしと擦りつけてくる。
「やっ、やめてくれ!! いやだ、頼むから!」
「ふふっ、大丈夫ですよ。上司を気持ちよくさせるのは、部下の務めですしね。安心して身を任せてください」
「そんなのしなくていいから! 会社の仕事だけすればいいっ」
「ああ、もう……、じたばた暴れないでくださいって。しょうがないな、よいしょっと」
涙目で後ろを見ると、掴んでいる私の両腕を嬉しそうな表情を浮かべながら背中に移動させ、下田が着ているバスローブの紐を使って、きっちりと縛り上げていく姿があった――
「これでよしっと。あ、バスローブ脱がせるの忘れてた」
仰向けにされても必死になって抵抗を試みる私を、上から楽しげに見つめる下田に、ふいっと顔を背けてみた。
「いいっすねぇ……。普段見られない安田課長の姿。ムダに暴れてくれたから、いい感じにピンクのバスローブが、こぉんなに肌蹴ちゃって。もしかして触って欲しかったんでしょ?」
つつっと太ももの内側を撫でられ、身体がビクついてしまう。
「ねぇ、すごく感じてるのに、そんな風にガマンしなくていいですよ。今は安田課長と僕だけしかいないんです。もっと、声を出して淫らに……」
首をへし折るくらいの力で強引に正面に向けさせると、覆いかぶさるようにキスをしてきた。
「んぅ……くっ、あぁ……」
下田の舌が私の舌にねっとりと容赦なく絡んでくるので、喘ぐように息をするしかない。
頭の芯がじんじん痺れてきたのは、酸素が足りないせいなのか。はたまた、酒が回ってきたからなのか――
「ふっ……下田、思いのほか、キスが上手いじゃないか。その調子で、仕事に励んでみたらどうだ?」
悔し紛れに告げた言葉に、ふわりと花が咲いたように微笑んだ。
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