第22話 【欲しいものは、…】

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広い胸の中にすっぽりと埋まった私の体。 「確かあの夜もそう言って、こんな風におまえを抱いたんだよな?」 「ちょっ!あ、あの時はこんな強引じゃ無かった!もっと雰囲気があって…」 「ありがとう麻弥。約束するから…」 「え?」 「命尽きるまで麻弥だけを愛し続けると、約束する」 狼狽える私の耳もとに落ちた、優しい囁き。 「……センセ」 ドキッとして、彼の声で体中に電流が走り抜けた。 あの頃のように甘くときめいて、 抑え込んで来た愛しさが焼くように胸に迫る。 「本当に?」 「ああ。俺の目にはおまえしか映らない。 それに、よそ見なんてさせない。俺は最低なエゴイスト。二度とそんな口が利けなくなるくらい、もっと溺れさせてやるよ」 彼はギュッと強く私を抱きしめると、背中を抱いていた右腕を滑らせお尻を掬う。 抱きかかえられ、軽々と宙に浮いた私の体。 「ええっ!?なっ、なに!?」 おっ、お姫様だっこ~っ!? あ……これって、あの夜と同じだ!シャワーを浴びた後、ソファーに座りガチガチになった私を先生が抱き上げて…… ――って事は、このままベッドに!? 想像と欲望が追い付いて行けないくらいの急展開。 「あ……あの、先生?そんないきなり……わたくし、まだ心の準備がですね…」 緩んだ顔だけじゃ無い。身体の奥深くが彼の熱を思い出し、疼くように火照りだす。 「心の準備?何を今更」 「今更って。…だって、だって、まだ信じられないんだもん…」 ただ素直に嬉しくて、胸が焼け焦げてしまいそう。 先生の首にしがみつき、泣きそうな声を漏らす。 廊下に響くのは、私を抱きかかえる彼の足音。 「信じられなくても何でもいい。欲しくてたまらない女が目の前にいるのに、もうこれ以上は待てない。俺は、とことん独占欲が強い男なんだ」 彼は手前右側の扉の前で立ち止まると、抱えた私の体ごと指先を扉に掛けた。
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