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葉月が黒田君とそんな事になっていたことにも気づかぬまま。
俺はこの頃、冴子と共にSENAフーズと龍都を救うことで頭がいっぱいだった。
連日のように冴子と今後の計画を話し合い、冴子の父親である会長とも剣持の目から逃れつつ、着々と計画を進めていた。
龍都の弟である瀬那川蓮都とも時々二人だけで酒を酌み交わす機会も次第に増えて行く。
そしてその日は百夜通いを始める寸前の瀬那川蓮都と二人、いつものショットバーで買収すべき株主の目星をつけていた時だった。
「おや……これは楠田部長と……瀬那川君もこんばんは」
穏やかな笑みと共に店に入って来たのは、営業部の黒田君だった。
面倒な人物に遭遇したなと思いながら、俺はすぐさまオネエの仮面をつける。
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