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凍りつくような空気を変えようと、友哉が新作スイーツのことに話題を変えてみたりしてくれたけれど、結局私と楠田部長の間に出来てしまった溝は埋まることはなかった。
「今日はちょっと飲み過ぎたわね。
葉月ちゃんそろそろ解散しましょうか」
やっぱりいつも通りのままの部長に失笑しながら私は黙って頷く事しか出来なかった。
いつもだったら店を出て駅まで一緒に歩いて帰るのに。
その夜の部長は、店の前でタクシーを停める。
「葉月ちゃんも乗ってく?」
「……いえ、今日は遠慮しておきます」
断った私の背後から友哉が部長に声を掛けた。
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