Act.17 Side Hazuki

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「部長、三島さんは俺とも方向が同じなので大丈夫です」 「……そう。じゃあ葉月ちゃんまた明日」 「…………はい」 ゆっくりと閉じたタクシーのドア。 まるでそれが私と楠田部長の越えられない境界線のようだ。 するとガラス越しの瞳がどこか悲しそうに笑った。 走り去っていくタクシーのテールランプをぼんやりと眺めていると後ろから私を呼ぶ声が響く。 「三島さん、送ってくよ」 「…………」 無言のまま振り返ると、友哉の背後には鋭い瞳で私を見つめる三浦晴香。 その状況に呆れるほどに笑いがこみ上げた。 「バカみたい」
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