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「甘いんですよ、瀬那川君は。
映見を想う気持ちは本物であっても、彼は危機感というものを感じていない。
映見を本当に守りたいのなら……自分の手だって汚すくらいの覚悟をして貰わないと、俺は納得出来ません」
「……黒田君……」
「だけど甘いのは楠田部長も同じです」
そう言って黒田君は、真っ直ぐに俺を見据えた。
どこまでも冷たい刃のような瞳で俺を見つめる黒田君に、いまだかつてない違和感を覚えながら問いかける。
「アタシも同じって……どういう意味よ」
「剣持冴子さんと三島葉月さんのことです」
「は?」
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