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それなー、と相槌を打ちながら悠はタバコに火をつける。
「あ、ゆうちゃん。私にも火わけてー」
「あいよ」
メグの口に咥えられたタバコに火を当てる。
幼い顔の彼女とはミスマッチなタバコから煙があがった。
「そーいえばさ」
と、半分程まで吸ったタバコを灰皿に押し付けながら、カンナが口を開く。
「最近、メグの周りに引っ付いてるあの男、どーなの?」
「は?」「誰そいつ」
悠と豪毅が同時に反応する。
メグは、手と顔を振りながら
「ち、違うよ!よく話しかけてくれるから仲良くしてるだけ!何にもないよ!」
「何にもない、ねー。男からしてみればいい獲物じゃん、メグ純粋そうだし」
「そそそそんなことないよ!?私あんまり男の人得意じゃないし…」
「そろそろ彼氏作んないとダメよー。寄ってくる男多いんだし、良い人選んでみれば?」
「今は男の人とかいいかなぁ。ゆうちゃんと豪毅くんいるしね。私には十分!」
カンナがにやり、と笑う。
悠と豪毅はモジモジしながら下を向いた。
「そこのおバカさーん?なーに照れてんのかなー?」
「…これ素で出せるって色々やばい気がする」
と、豪毅が言った。
照れ隠しのように、2本目のタバコに火をつける。
そんな彼らに気づかないメグは、
「え、え、だってそうでしょ!?あんまり知らない人より、ちゃんと信用してる人の方が大切でしょ!?」
「さすが、うちの姫は言うことが違うね。魔性になっちゃダメよ?」
「だからならないってー!」
ニヤニヤ笑うカンナと、顔を真っ赤にして否定するメグ。
いつもの光景だけど、何度見ても飽きない。
なんてことを悠は考えていた。
「とりあえずもう一杯頼もうか、お前ら何飲むー?」
豪毅が聞き、みんなが口々に答える。
これもまたいつもの光景だ。
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