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「んー!外の空気がおいしー」
伸びをしながらメグが言う。
見かけによらず発達した女の子らしい体つきが、黒いTシャツの下から主張していた。
そんな彼女に通行人は目を向けるが、やはり気づかないメグはカンナのところにトテトテ歩いて行った。
「カンナちゃん、まだ帰らないでしょ?公園で飲み直そ?」
カンナの袖の端を掴みながらメグがそう言うと、カンナはメグの頭をぽんぽんと撫でながら
「そうだねー、まだ飲み足りないかも。豪毅と悠も行くでしょ?」
「おーいこーか。いつもの公園でいいっしょ?」
と豪毅が言うと、悠も口を開いた。
「じゃあ行くか、カンナ今日原チャ?」
「今日は原チャじゃなくて125だよ。おにーちゃんの借りてきた。ほらメグ、後ろ乗りー」
「はーい」
と、フルフェイスをメグに渡し、半ヘルメットをカンナがかぶる。
関係を知らない人が見たら、親子か姉妹と間違えられるだろう。
カンナがアクセルを捻り、エンジンが唸った。
「先行ってるからねー、酒買っといて」
「お先です!そーだ、ゆうちゃん私のタバコも買っておいてくださいっ。お金後で渡すからぁぁぁぁああああ!」
メグが言い終わるのを待たずに、カンナが急発進をした。
「いぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁあああ!」
メグの断末魔を聞きながら、悠と豪毅は苦笑した。
バイクにまたがりながら、キーを挿し込む。
エンジンを入れたところで、悠は豪毅の方を見て
「じゃあ酒とタバコよろしくな!お先!」
言い終わると同時にアクセルを捻り、発進した。
後ろから聞こえてくる叫び声は、悠の耳には入らなかった。
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