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気になるからといって、追いかけて聞き出すわけにもいかず、あきらめて業務につく。
忙しくしていると、そんな「もやもや」はなんだかんだと午前中で消えてしまった。
この頃は昼休憩も、シフトの時間にズレがあっても先輩方と交代をしたりして、仲の良い者同士で入るのが習慣になってきている。
今日も美佳と一緒に、本社一階のサロンに向かった。美佳は大好きなオムライスのセットを食べていて、私はまだあまり食欲がなくサンドイッチとスープのセット。
「へー、クリスマスできるんだ。店舗ほどじゃないけど、営業もクリスマス前後は忙しいのにね、時間取ってくれたんだ」
「あー……遅くなる、とは言ってたけど。なんか考えてはくれてるみたいで」
「ちょっと」
「ん?」
「顔、緩みすぎ」
「……」
野菜サンドをもごもごと咀嚼しながら、どうやら緩んでいるらしい頬をさすった。
「まー……うまくいってるなら、よかった」
「え、美佳までそんなこと言わないでよ。今朝相田先輩にもそんなこと聞かれて、なんか変に気になってたのに」
「先輩が?」
美佳はふと、オムライスから私へと視線を上げた。そして何か思案顔で、口元を抑えながら、また俯く。
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