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大好きだった祖父が目が見えなくなって苦労していた時に、元々全盲だった秋生さんと知り合って助けてもらっていたことや、私も子供の頃から秋生さんに遊んでもらったりしていたことを亨には話してある。
私が好きでボランティアを続けていることを、ちゃんと理解してくれている。
「ならいいけど……迎えにきた時空気がピリピリしてる」
「そ、そっかなー……」
理解してくれてるわりに、颯介くんに如何にも敵意むき出しなのは何とかして欲しい。
「それはボランティアのせいじゃなく、僕のせいってことかな。なんだか、悪いなぁ」
「そんなことないってば」
「ほんとは、母さんに頼めばしてくれる時もあるんだけどね……僕も、春妃ちゃんに会いたいから」
そう言って、同時に前を向いていた颯介君の目が私を見る。
ぼんやりとしか見えないはずの彼と、見つめ合ってるような気がして心臓がひとつ、跳ねた。
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