それって女がよく言うやつ。

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私の声だけで、不調を感じ取ってくれたのならそれってすごいな、と思いつつ……やはり、熱の影響なのだろうか。 颯介くんに額を触られるままに、ぼんやりとしていた。 「……ごめん」 颯介くんが唐突に謝って、彼の方こそ辛そうに眉尻を下げる。 「なんで?」 「もっと早く気づいてあげれたら良かったのに、無理させてごめん。今日はもう御終いにして、彼に迎えに来てもらったほうがいいよ」 「大丈夫、ひとりで帰れるけど……音訳は今日は御終いにしていい?」 無理をして、颯介くんの仕事にミスが出てもいけない。 額から彼の手が離れて、自分で額や頬を触ってみたが、自分ではよくわからない。 だが、確かに身体のだるさは覚えがある。以前、インフルエンザで高熱を出した時の感じに似ている気がした。 「一人でなんて帰せないから、電話して。ほんとなら、できるなら僕が送って帰りたいけど……」 眉根を寄せ唇を噛む。 彼のそんな表情を見ながら、私は首を傾げて様子を伺うのだけれど。 「早く、電話。彼ならすぐ迎えに来るでしょ、きっと」 だから早く、と促され、仕方なくバッグから携帯を取り出した。
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