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整った横顔から、目が離せない。
あったかいようなそれでいてせつないような痛みが、じわりと胸に広がった。
亨の方こそ、私のことをよく見てくれている。
颯介くんも美佳も、私が付き合える数少ない、大事な人だ。
嫉妬の色を見え隠れさせながら、亨はそれを守ろうとしてくれてる。
亨が嫌なら、颯介くんとは会うべきじゃない、ってそう考えていたけれど。
私はきっと、それを言っちゃいけない。
亨の気持ちを踏みにじったらいけない気がする。
「とーる」
「ん?」
「これからも、音訳ある時は付き合ってくれる?」
「……なんかオススメの本とかある?」
「探しとく」
私はもっと、感謝するべきなんだ。
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