溺愛?

14/16
2804人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
整った横顔から、目が離せない。 あったかいようなそれでいてせつないような痛みが、じわりと胸に広がった。 亨の方こそ、私のことをよく見てくれている。 颯介くんも美佳も、私が付き合える数少ない、大事な人だ。 嫉妬の色を見え隠れさせながら、亨はそれを守ろうとしてくれてる。 亨が嫌なら、颯介くんとは会うべきじゃない、ってそう考えていたけれど。 私はきっと、それを言っちゃいけない。 亨の気持ちを踏みにじったらいけない気がする。 「とーる」 「ん?」 「これからも、音訳ある時は付き合ってくれる?」 「……なんかオススメの本とかある?」 「探しとく」 私はもっと、感謝するべきなんだ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!