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「ああ、軍の将軍の7割以上が連合の手のうちにある。老人たちの多くは昇進と多額の裏金で釣られた。勲章をたくさんぶら下げた傀儡(かいらい)だ。作戦部にもかなりの数のシンパが入りこんでいる」
ジョージが笑っていった。
「だから、あなたは勝率が4分の1もない絶望的な勝負にすべてを賭ける気になった。子どものころからよくご存知の東園寺崋山の性格的な欠点を突き、トーナメントを計画した。大切な弟の命を差しだすことになっても、東園寺派からの『須佐乃男』操縦者を阻止するために。そして、ぼくとテルはその勝率をわずかでも上げるための駒でしかない。そういう理解で正しいでしょうか」
さっと敬礼すると逆島少佐がいう。
「なんととってもらっても、かまわない。卑劣というならそのとおりだ。だが、この問題には日乃元の国体の未来がかかっている。菱川くん、タツオ、力を我々に貸してもらえないか」
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