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 ジョージは青い顔をしたままだった。一度の出撃で、青春のすべてが過去のものになる。日乃元(ひのもと)防衛作戦で失われるのは、人生で最も輝かしい30年なのだ。タツオも自分が受けた衝撃の大きさがまだよくわからないほどだった。  作戦部少佐が淡々といった。 「主操縦者候補のなかでも、有力な者は4名に絞られている。東園寺(とうえんじ)崋山(かざん)と彩子(さいこ)の双子、それにここにいるきみたち2名だ。『呑龍(どんりゅう)』と『止水(しすい)』はもともと体内の時間を操作する術だから、時空間変容に対する驚異的な耐性を有する東園寺と逆島(さかしま)の者には有利なのかもしれない。ガブリーロフ=笹井指数では3人が飛び抜けていた。菱川(ひしかわ)くんは耐性の弱さを抜群の戦術眼と身体能力でカバーしているが、はっきりいわせてもらうと、まだ4番手だ」  ジョージがうなずいて肩をすくめた。
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