第1章

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「それが重荷になってる気がして」 「俺嬉しかったのに」 「アキ」 「俺は正司さんの愛の奴隷なんだ。絶対服従じゃないけど。でも好きって意味ではもうダメなんだ。正司さんなしじゃ生きていけないんだ」 「何言って」 「正司さんのためならなんだってする。エッチなボディピアスも開けろって言うなら開ける」 「アキ、ちょっと待って」 「だから束縛なんて嬉しいだけなんだよ正司さん。好きで好きで堪らないんだ。頭の中正司さんでいっぱいなんだ」 「アキ・・・もっと先にと思っていたんだけど」 「何? 」 「アメリカにジャズピアノの武者修行に行かないかい? 」 「アメリカ? 俺を突き放すの? 正司さんっ」 「今回のCD騒ぎでしばらく店も落ち着かないだろうしね、ちょうどいいタイミングかもしれない」 「うっとうしくなった? 」 「違うよ」 「好きになられすぎて困ったんでしょう? 」 「そうじゃない、アキ」 「じゃあ、なに」 「・・・僕も同じ気持ちなんだ。キミの愛の奴隷なんだ。好きで好きで堪らないんだ。だから、今一緒に居るのは良くない。仕事のパートナーになれないからね」 正司の瞳に薄っすらと涙が滲む。 「僕が離れて店を閉めたら生活が出来なくなる。君が離れて腕を磨くのはとても良いことだ。だから、わかってくれるね、アキ」 初めて見る正司の表情にアキは本気を感じ取る。 「いつまで・・・? 」 「3ヶ月」 入籍してからこんなに長く離れたことはなかった。ふたりの間に淋しさのようなものが一瞬よぎる。 「正司さん」 アキが正司に抱きついてくる。 「俺がいけないの? 好きになりすぎたから? 」 「違うよ。アキのアメリカ行きは前から計画してたんだ。ちょっと早まっただけ。それに好きすぎてるのは僕も一緒だから、悪いのはアキだけじゃない」 それから渡米までの間、ふたりは仕事から家に着くとシャワーに直行だった。 そこで十分愛し合い、横になりたくなって出てくる。 そしてベッドでまた燃え上がり何度となく上になり下になり、アキの声も甘さを増す。 「しょ・・じ・・・・さっ・・・あ・・・あぁ」 「アキ・・」 「触って・・・お願い・・・あぁっ」 おねだりを聞いてやるとことさら声が甘さを増した。正司を誘惑しているのだろう。 「アキ・・・キスして」 後ろから振り向きざまのもどかしいキスをする。
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