第2話 繋がりの牙

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~研究室~ 「んぅ、お帰りぃ。リオ君」 「変な声で出迎えないでくれ、気持ち悪い」 斜めに噛み合う自動ドアという、明らかに研究室っぽいドアを潜り、入室するリオ。 中でデスクに向かい合っていた人物が、いち早くリオに気付いて独特の口調で出迎えた。 白衣を着て、黒髪に白メッシュを入れた青年。名を『リョウマ・A・センゴク』。ぶっちゃけると仮面ライダー鎧武の『戦極凌馬』のリ・イマジネーションな人物である。 人柄は原典とあまり変わらず、基本マイペース。研究者特有の悪ノリがあるが、リオや同志の扱うライダーアイテムを研究・開発している重要人物だ。 「いやね。例えそう言われても私には抑えられないのさ」 「例の衝動ね」 「分かってるじゃないか。ささ、早くドライバーとロックシードを」 「はいはい……」 キラキラ目を輝かせながら催促するリョウマへ、少々めんどくさがりながらリオは戦極ドライバー牙とフィフティーンロックシードを渡す。 リョウマは早速スキャナーにセットしデータを観覧し始めた。 「おぉぉ……やはり面白いデータが取れているよ。実に興味深い。これは解析のしがいがあるというものだ!」 『……あんまり変な事しないでギャ?』 「で、僕はどうすりゃいいのさ。リョウマ」 「リオ君にはこないだ話した新しい変身ツールを渡しておくよ。しばらくはそれを使ってくれたまえ」 そう言いリョウマは、棚から黒いケースを取り出してリオに渡した。表面には銀色で丸に囲まれたRのイニシャルが描かれている。 「まだ君の『ジンバー』は調整中でね。そのライダーのマシンは格納庫にあるから」 「ありがとさん。じゃ、僕は行くから」 『それではご主人にブライク。また』 「あぁ、またな」『うむ』 一先ずガイラーと別れ、研究者から出る。……間際に聞こえたリョウマの「ほああああ!」とかいう奇声は聞かなかった事にした。
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