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「せやぁぁぁっ!」
――斬!
「ぐっ、がぁ……」
小柄な少年が操る刀。
それに一閃され倒れ込む、ローブを纏う男。
ただし峰打ちなので死んではいない。
同じ様に、少年に峰打ちをされ、倒れた男女が、そこかしこにいて、皆ローブを纏い機械の杖の様なものが側にある。
「くっ……」
「残るはアンタだけだ」
少年が向ける刀の切っ先。そこには同じくローブを纏い機械杖を持つ男が。倒れているのはこの男の部下達で、男は一部隊の隊長なのだ。
「き、貴様! 自分が何をしているのか分かっているのか!」
男が少年を怒鳴り付ける。部下を全て倒された為か、その顔には汗が伝い、余裕がないのが見え見えだ。
対し少年は冷静に口を開く。
「分かってるさ。お前らが盗んだものを取り返そうとしてるだけ。襲ってきたのはそっちだったから抵抗させてもらっただけだよ」
「何を言う! 我等が何を盗んだと言うのだ!」
「盗んだ、いや奪ったじゃんか。この世界の“お守り”を」
「ッ!?」
少年が言うと的を射ぬかれた、という具合に驚愕の表情を浮かべる男。
完全に図星である。
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