第1話 始まりの牙

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「せやぁぁぁっ!」 ――斬! 「ぐっ、がぁ……」 小柄な少年が操る刀。 それに一閃され倒れ込む、ローブを纏う男。 ただし峰打ちなので死んではいない。 同じ様に、少年に峰打ちをされ、倒れた男女が、そこかしこにいて、皆ローブを纏い機械の杖の様なものが側にある。 「くっ……」 「残るはアンタだけだ」 少年が向ける刀の切っ先。そこには同じくローブを纏い機械杖を持つ男が。倒れているのはこの男の部下達で、男は一部隊の隊長なのだ。 「き、貴様! 自分が何をしているのか分かっているのか!」 男が少年を怒鳴り付ける。部下を全て倒された為か、その顔には汗が伝い、余裕がないのが見え見えだ。 対し少年は冷静に口を開く。 「分かってるさ。お前らが盗んだものを取り返そうとしてるだけ。襲ってきたのはそっちだったから抵抗させてもらっただけだよ」 「何を言う! 我等が何を盗んだと言うのだ!」 「盗んだ、いや奪ったじゃんか。この世界の“お守り”を」 「ッ!?」 少年が言うと的を射ぬかれた、という具合に驚愕の表情を浮かべる男。 完全に図星である。
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