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「ロストロギアだかなんだか知らねえが、他人の者を無理矢理取ったら泥棒以外の何者でもないだろうが。そんなことも知らないのか?」
「黙れッ! ロストロギアは我等『時空管理局』が厳重に管理する! これは世界の為、つまりは正義だ! 貴様をそれを邪魔しているのだぞ、分かっているのか!」
……正義。時空管理局。
二つの単語が少年の鼓膜を振動させた瞬間、何かがキレ、少年は刀を下ろす。
次の瞬間、彼の体から凄まじいまでの殺気が、爆風の様に放出された。
「ヒィッ!? な、なんだ!?」
「正義だと? ふざけんじゃねえ。自分達の行いを正当化する為に、正義なんて使うな」
殺気に震える男へ、少年はドスの効いた声と刀の如く鋭い視線をぶつけ、更に戦慄させた。
だが男は、無理矢理恐怖を振り払う様に頭を激しく振ると、叫び始める。
「だ、黙れぇ! 貴様なんぞに管理局の正義を否定させん!」
そう言い男は、機械杖『デバイス』を操作し、魔法を発動。
すると、男の前の地面に複数の転移魔法陣が出現し、その中から、ミイラの様な怪人『屑ヤミー』、忍者の様な怪人『星屑忍者ダスタード』が、五体ずつ。計十体現れる。
「やっぱり。管理局は怪人と繋がってたか」
『予想通りだったギャ、ご主人』
現れた怪人を見て呟く少年。そのズボンのポケットから、特徴的な語尾の喋り声が発せられた。
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