第1話 始まりの牙

8/9
前へ
/86ページ
次へ
直ぐ様振り返り、ダスタードの方を確認。倒れた二体は既に起き上がっており、三体共刀をフィフティーンに向け、襲いかかってきた。 『『『――――――』』』 ダスタード三体が時間差で斬りかかってくる。フィフティーンはバックステップや身を屈めたり、首を傾けたりと最小限の動きで回避しながら後退していく。 下がるフィフティーンに対しダスタードは猛攻をかける。しかしフィフティーンはバックジャンプで下がると、目的地に着き“そこに刺さっていた刀”を抜いて反撃に転じた。 『ハッ!』 『!?』 それは変身直前、地面に刺したあの刀。 銘を『黒龍丸』。 鍔と持ち手が漆黒の日本刀で、それを左手に。右手に黄泉丸の二刀流で、一番距離が近い位置のダスタードの胴体を切り裂き撃破。 そのまま爆風を利用し加速したタックルで二体のダスタードの間を突っ切り、右足でブレーキをかけ、ぐるりと体を翻し、 『セイッ、ハァァ!!』 黄泉丸&黒龍丸を同じ軌道で袈裟斬り、逆袈裟斬りを繰り出し、二体のダスタードを撃破。 全ての怪人を撃破し終え、フィフティーンは男に向き直る。 「こ、こいつらまでをも倒すだと……!? この化け物め!」 『僕から言わせればお前らの方が化け物だよ』 男の罵倒にフィフティーンは態度一つ変えず、黄泉丸・黒龍丸を構える。 「な、舐めるな!」 男がデバイスをフィフティーンへ向け、誘導弾を五発放った。 黄色の魔力弾が高速でフィフティーンに迫る。 対しフィフティーンは、魔力弾へ自ら向かっていく様に地を蹴った。ライダーの脚力で誘導弾と誘導弾の隙間に入ってかわし、一気に距離を詰めて黄泉丸の峰打ちを男の鳩尾に叩き込んだ。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加