第1話 始まりの牙

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「ぐふぁ!?」 腹に大きな衝撃を食らい、男は痛みでデバイスを手放し胃液を吐きながら、背中から倒れこむ。 倒れた男へ黒龍丸を突きつけるフィフティーン。 「ひいっ……!」 『………………』 そのまま黒龍丸を振り上げ――。 「ひっ、あっ、あ……あぁぁ……」 ――カクン 男はそこで恐怖に耐えきれなくなったのか、失禁し気絶。 フィフティーンは黒龍丸を下げ、黄泉丸を地面に刺して開いたフィフティーンロックシードを閉じ変身を解除。 元からトドメまで刺すつもりはなかったのだ。 少年は男の持っていたデバイスを拾うと、携帯端末を取り出してウイルスを感染させ、デバイスに格納されていた物――灰色のアタッシュケースを取り出し、開けて中を確認。 中身は緑色に光る、透き通った大きな塊。 これが男ら時空管理局が奪った物だ。 確かに見た目だけでも希少価値がありそうな物だ。これが何かは知らないが。 ともかく、物は回収したので、少年は後処理として男や局員のデバイスを全て破壊しておき、ついでにロープで縛っておいて、アタッシュケースを抱えその場を後にした。 彼の名は『青柳リオ』。 またの名を『ファング・リベリオン』、反逆の戦士。
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