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さつきちゃんが、暫くそのキラキラ輝く目を眺めた後、ふいにあっと声をあげた。
「……もしかして、あの時の中学生っ?」
「はいっ!!」
御主人様にご褒美をもらった犬のように、しっぽをバタバタと振る彼。
なになに?あの時の中学生って…?
私の視線を受けて、さつきちゃんが口を開く。
「僕が高校1年の時、この子が男子高校生に絡まれてたんだよ。
着てたのが母校の中学の制服だったし、絡んでた奴らは僕の同級生だったから、なんかほっとけなくて」
「へぇー、それで助けてあげたんだ。」
きっとカッコ良かったんだろうな。
さつきちゃんは強いから。
私を助けてくれた時のように…
「にしても、……おっきくなったねぇ?」
ゆっくり、足元から頭まで時間を掛けて見上げて、親戚のおばちゃんみたいなことを言うさつきちゃん。
それを受けて、また褒められた犬のように嬉しそうに前のめりになる彼。
「はいっ!あれから牛乳を毎日飲んでましたっ!」
「何センチ?」
「182ですっ」
「…でか…」
「そんなに変わったの?」
私のツッコミに、二人が顔を見合わせる。
「だってあの時、僕より小さかったよね?」
「はいっ、よく女の子に間違えられてました!」
なるほど……。
でもよくよく見てみると、背は高くて男の子に間違いはないけど、顔はすごく綺麗…中性的だ。
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