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「ど、どうしたのさつきちゃ……っ、ひゃっ!」
問いかけようとした瞬間、正面から顔が近づいてきて左耳たぶを甘噛みされる。
久々のさつきちゃんの感触に急速に心拍数が上がり出す。
や、……やっぱりなんか、怒ってる?
恐る恐るさつきちゃんの顔を至近距離で見上げるも、その表情は読めない。
「…美奈ちゃんが言ってたとおり。
ちょっとひな、素っ気無さすぎじゃない?」
「……へ?」
さつきちゃんの片手が私の髪の毛先をいじり出す。
…くすぐったい。
「僕たち付き合ってるんだよ?
春休みに一回しか会わないってどうなの?
それに電話してもメールにしてー、とか言うし。
メールも返信こない時あるし。」
「だ……だって、それは…おばあちゃんちに行っちゃってたから仕方な」
「でも電話は?会えないなら電話してくれたっていいじゃん。」
「それは…、大抵周りに親がいたから…。
ほら、おばあちゃんたちに悪いなって」
「ふーん?でもメールならできるでしょ?なんで突然返信が来なくなるわけ?」
「…あ……あれはっ…!大抵私が先に寝ちゃった時で…。でも次の日に返すのは、もう遅いかなって。今から返しても話途切れちゃってるし迷惑なだけかなぁ…とか色々考えちゃって……」
それは嘘じゃない。
メールするのは楽しいけど、どんな返信が返ってくるか、そもそも返信が返ってくるかどうか、いつもドキドキで心臓に悪い。
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