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「ふぅ~ん?」
さつきちゃんの視線は未だに、片手で弄ってる私の毛先。
と思ったら、その視線がくいっと上に上がってくる。
突然目が合ってドキッとした後、その目がきゅっと意地悪そうに光って、もっとドキッとする事を言われた。
「じゃー、ひなからちゅーしてっ?」
「えっ!?」
なななななんでそんなことに…!?
「ほら~、僕怒ってるんだよ?早くしないと、もっとプンプンしちゃうよっ?」
「えええ……」
そんなこと言われても、無理だよ。
この私に、久々に会ったまだ付き合いたての彼氏に、自分からちゅーしろと?
無理無理無理無理!
頭の中の私が全力で首を横に振る。
ていうか、そんなこと、さつきちゃんが一番よくわかってる筈なのに…。
恨めしげに顔を見上げるも、その目は相変わらず少し楽しそうにこちらを眺めている。
……ほんと、小悪魔。
「じゃー、ほっぺでもいいから。ほらっ」
そう言って左ほっぺをこちらに差し出す。
あわわわわ
観念して口を開く。
「…め、目つむって?」
「えーっ?ほっぺなのに目つむるの?しょーがないなぁっ。はいっ」
文句を言いながらも目を閉じてくれたのを確認すると、私はさつきちゃんの両肩に手を置いて少し背伸びし、思い切ってほっぺにキスをする。
……やった。
「よくできましたっ」
「ん!」
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