第1章

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何に気付いたかと言うと、真央姫様が茨の道を突き進み続けるのは、私がお祈りしたせいかもしれないという事だったんですが、では、何故そう思ったかと言うと、ソチオリンピックのプレシーズンが終わった後すぐ、タロットで真央姫様がケガなく、万全な体調でソチオリンピックに臨めるかを占ったら、なんと『隠者の逆位置』が出てしまったんです。 『隠者の逆位置』というとかなり絶望的な状態です。しかも、近所の神社でおみくじを引いても『半吉』が出ました。 スポーツ選手の体調をお尋ねして『半吉』が出る場合、筋肉や筋が切れる一歩手前、骨が折れる一歩手前、入院秒読みくらいの危険な状態です。 そこで、私は、真央姫様の運命をどうにか変えようと、ある霊能者の先生に、ケガをしないように祈願をお願いしたのですが、その先生にはあっさり「そんなことはできない。」と断られてしまったんです。 なぜその先生ができないと仰ったかというと、スポーツ選手にとってケガやスランプというのは、ものすごく魂の成長になるもので、それが起こらないようにするということは、成長の邪魔をする事に繋がるからと言うことでした。 でも、バンクーバーオリンピックが終わってからの真央姫様の辛く苦しい、なかなか努力が報われない時期を見てきた私にとって、真央姫様がソチオリンピックに出場できないとか、出場できても体が動かず、練習の成果を発揮できないというのは考えられない事でした。 それで、霊能者の先生にお願いするのは諦め、自分でお祈りすることにしたのですが、もし、ソチオリンピックシーズンに現役を続けられないくらいのケガをしていたら、こんなに苦しい選手生活をずっと続けずに済んだのかもしれない。すんなり選手生活にピリオドを打ち、第二の人生に進めたのかもしれない、と思ったら、私はとんでもない事をしてしまったかも・・・(ガーーーン、ガーーーン、ガーーーン、ガーーーン、ガーーーン・・・)と、落ち込んでしまったんです。
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