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どんどん奥様を引き込んでいく横井の話術に正直驚いた。 …曽我が言った通り、仕事はホントにできる奴だな。 俺が説明しようとしたこともさらりと触れて説明し、なおかつダイニング全体のイメージを次から次へと聞きだしていく。 俺の背中見なくたって、コイツは十分やっていける。 感心しながら、横井の後姿を眺めていた。 「…では、今のところの見積もりの用紙は渡しておきます。今日まだ決定しなかったものについては、また資料をお送りしますので、参考にしていただけると有難いです。」 「わかりました、ありがとうございます。では、また明日。ごゆっくりなされてくださいね。」 「ありがとうございます、おやすみなさい。」 「おやすみなさい、あ、横井さん、明日先ほどのお話の続き、聞かせてくださいね。」 「勿論です、奥様。おやすみなさい。」 夕食後、見積もりの話などをして、やっと1日が終わった。 「はぁー、都築さん。お疲れ様です。」 「あぁ、お疲れ。」 奥様がいなくなったので、横井はネクタイを緩めると、正座から胡坐へと体勢を変えた。
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