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ぺたぺたと、筋肉がついている背中を触る。 いいなぁ、若いって。 俺には、こんな締まってた時期ないしなぁ… 「あ、あの…都築さん…あんま、触んないでくださいよ…ッ」 「あー、悪い悪い。お前の身体、あんまりにも綺麗で。」 「え…」 「綺麗に…引き締まっててさ。羨ましい。」 俺は、酒を飲み干して、浴槽を出た。 「まだ、入ってていいぞ。俺は…先にあがらせてもらう。酒も、飲みほしちまって構わないから。」 「あ…」 なんか、身体が火照ってしまったようだ。 気分もいい。 これはきっと、酒と露天風呂と、綺麗に見える夜空の星々のせいだろう。 中に入るとき、露天風呂につかっていた横井が、ふいに声をあげた。 「あ、あの、都築さん!」 「ん?なんだ?」 「その…今、恋人とか、いるんですか?」 いきなり、どうしたんだろう。 あー、恋人でもない俺が身体触れたから、嫌だったのか? 「いないよ。…悪いな、断りもなくお前に触れちゃって。」 いつの間にか、横井をお前呼びしてたことに、俺は気づかなかった。
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