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「…は?お…私…が、出張?」
思わず、一人称を俺と言ってしまいそうになった。
社会人何年やってんだよ、俺。
「うん。そう、出張です。」
にっこりと笑って資料を渡すのは、曽我賢二。
「…曽我さん。ちょーっと、話いいですか?」
「…しょうがないですねぇ、都築さん。」
俺たちは薄っぺらい笑顔を浮かべ、喫煙室へ向かった。
「…ねぇ、曽我さんと都築さんって、2人になりたいときは喫煙室へ向かうよね。」
「あー、あの2人、言い合いし出したら社会人らしからぬ口調になっちゃうからさ。」
「別にここで話してもよくない?」
「そうだけど…さすがに、ここで俺って、言いたくないんじゃない?お客さんきたりするから。」
お前ら、聞こえてんだよ…
話してた2人の部下を横目で見ながら、喫煙室のドアを開けた。
中に誰もいないことを確認する。
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