1◆Fabulous voice

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―――『ピリリリリ……――――――』 リビングの方で着信音が鳴った。 ノートを持ったままパソコンの前に戻り、座椅子の脇に投げ捨ててあったスマートフォンを拾う。 電話を掛けてきたのは、高校時代の同級生であり大学の先輩でもある友人の奏美。 ―――「ねぇ、次の土曜日って空いてる?」 唐突な誘いはいつもの事。 それに対応できるフットワークの軽さを持ち合わせているからこそ、マイペースで気まぐれな彼女との付き合いもここまで続いてきた。 「ああ、うん。 午前中で実習が終わるから、多分午後からなら大丈夫。」
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