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また好きになっても切ないだけ。
それならば、もう彼に連絡しない方がいい。
手に力を込め、ベッドの上に残されていた名刺を細かく破り捨てる。
―――これでいいんだ……。
期待なんてしない。
やっぱり夢を見たって、ろくな事がないんだ。
妄想は妄想のまま。
思い出は思い出のままで。
これ以上駒を進めると、きっと私はまた傷付く。
今までもそうだった。
確かなものを欲しがれば、その代償として必ず傷付けられる。
だからもう、多くを望まないと決めたんだ。
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