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彼が最後に告げた一言が引っ掛かった。
「はぁ……、噂……?」
不可解に思い、私はちらりと奏美の顔を見た。
奏美ははっとして、余計な一言を口にした祐輔君を再び睨む。
事情を何も知らなかったとはいえ、きっと彼は気まずい話題を振ってしまった。
「あ……、いや。
里衣はすごく絵が上手なんだよって、前に少し話した事があったの。
それで祐輔が、自分のバンドでCDを作る時に是非ジャケットイラストを描いて欲しいって……――――――」
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