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ステージ前に群がる人々を掻き分け、「運営者」という腕章を付けた祐輔君が私たちを先導してくれる。
他とは違う色のテープで囲ったここは、どうやらこのライブイベントの関係者席として用意されたスペースらしい。
私たちが招かれたのはステージの正面かつ最前列。
「すごーい!
ここならFAbULOUSのあのパフォーマンスの恩恵に授かれるかもしれない。」
奏美は目をキラキラさせ、正面に広がる小高いステージをまじまじと見つめた。
しかしその瞬間、隣に立っていた祐輔君の顔が複雑そうに歪む。
「お前さぁ、俺の前でそういう事……――――――」
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