1◆Fabulous voice

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ステージの奥から、カチカチとリズムを刻むドラムスティックの音が聞こえる。 それを合図に始まる、様々な色の歓声とロックミュージック。 ―――まだヴォーカルがいないのに。 ステージ上に歌い手はいない。 しかし彼らは、楽しげな笑みを浮かべながら演奏を開始したのだ。 「うん、いいねッ!! FAbULOUSのライブは、必ずインスト曲から始まるんだよ。」 興奮し頬を紅潮させながら、奏美はそう私に教えてくれる。 そういえば、さっき奏美に聴かせてもらった曲も歌の入っていないものだった。
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