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唇が触れ合ったまま、彼はゆっくりと私の身体を囲うように移動し、そのままステージを背にして腕の力を緩めた。
片腕で身体を抱かれ、もう片方の手は私の頬に触れたまま。
背後から抱き締められている時と違い抵抗できるはずなのに、どういう訳か、今は不思議と抵抗する気が起きない。
―――気持ちいい。
多くの人に見られ、とても恥ずかしいはずなのに。
彼のキスは、そんな戸惑いや羞恥心も溶かしてしまうほどに気持ちいいのだ。
「フフッ……、いい音だ。」
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