1◆Fabulous voice

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所詮ここは大学の音楽ホール。 舞台はさほど高いものではない。 ステージの端に手を掛けてひょいと身体を浮かした彼。 そのままステージの上に立ち、彼はスタンドマイクの横に置かれたギターを肩に掛けた。 「お待たせっ!!」 インストゥルメンタルだった曲と彼の声が重なる。 さっきまでは、ベースとドラムがビートを刻み、サックスの音だけでメロディーが成り立っていたはず。 しかしその曲はがらりと雰囲気を変え、ギターの旋律と共に、彼の歌声が耳に入ってきた。
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