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状況が把握できない私は、考えたくもない奏美の行動に戸惑うふりをして彼女を睨んだ。
いつもそう。
奏美は自分のしたい事をどうにかして貫き通そうと悪知恵を働かせる天才なのだ。
きっと今回も、私の承諾を待たずに今いる店を祐輔君に教えてしまったのだろう。
「あは、ごめんねぇ……。」
分が悪そうに頭を掻く奏美。
どうやら私の予想は的中していたようだ。
「……本当に自分勝手なんだから!!」
苛立ちを隠せず、まだ半分ほど残っていたレモンサワーを勢い任せで一気に飲み干す。
「赤ワイン、ボトルで持ってきて!」
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