2◆In nostalgia

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胃の中はほぼ空っぽ。 空腹のまま大量にアルコールを注げば、肝臓はもちろん、翌日の肌のコンディションにだって影響する。 それでも、もう飲まずにはいられない。 だってこのまま、私は平然を装う事なんてできやしないもの。 自棄だ。 もう、どうにでもなればいい。 今更ここで「帰る」だなんて言えないけど。 私なりの抵抗を示し、その顔に不快感を顕わにする。 店のスタッフは「かしこまりました」と返答しつつ、私と奏美のグラスを別の場所へ移動させる。 促されるまま席を移動し、案内されたのはこの店の個室。
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