842人が本棚に入れています
本棚に追加
十年も経てば、当然乗っている車だって変わるだろう。
だけと、自分の記憶の中にあるあの赤いスポーツカーは、ずっと私が憧れていた車だった。
「それでも、外車に乗れるなら充分じゃないですか?
私なんてまだ学生だし、未だに車の免許すら持っていないから。」
遊び呆けて後回しになっていた運転免許の取得。
来年こそはと思いながらも年月は流れ、気付けば今年で大学生活が終わる。
「へぇ、大学生?」
少し驚きながら、石崎先生は私に質問を返す。
大学生に見えなかったのだろうか。
今の私はそんなに大人っぽく見える?
最初のコメントを投稿しよう!