2◆In nostalgia

21/36
前へ
/433ページ
次へ
十年も経てば、当然乗っている車だって変わるだろう。 だけと、自分の記憶の中にあるあの赤いスポーツカーは、ずっと私が憧れていた車だった。 「それでも、外車に乗れるなら充分じゃないですか? 私なんてまだ学生だし、未だに車の免許すら持っていないから。」 遊び呆けて後回しになっていた運転免許の取得。 来年こそはと思いながらも年月は流れ、気付けば今年で大学生活が終わる。 「へぇ、大学生?」 少し驚きながら、石崎先生は私に質問を返す。 大学生に見えなかったのだろうか。 今の私はそんなに大人っぽく見える?
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!

842人が本棚に入れています
本棚に追加