2◆In nostalgia

24/36
前へ
/433ページ
次へ
話題の確信を突く問いが投げ掛けられる。 昔の話をすれば思い出してくれるのか。 そんな期待を脳裏に浮かべ、私はあえて自分の大学の事や地元の街に関する話題を振った。 「倶知安(くっちゃん)……です。 小樽からは、車で一時間半ちょっとのところ。」 大学のある小樽市と同じ後志管内にある倶知安町。 雪深い小さなこの街で唯一の大手学習塾に、彼はアルバイト講師として派遣されていた。 「……倶知安か。 電車通学なら、蘭島駅で下車してそこから徒歩。 それなら一人暮らしした方が断然楽だもんな。」
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!

842人が本棚に入れています
本棚に追加