2◆In nostalgia

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土地勘あるが故の発言。 しかし、彼にとっても馴染があるはずの地名を口にしたにも関わらず、彼は平然とジンジャーエールを飲みながら話している。 ―――もしかして、完全に忘れてしまったの? あの小さな街で塾講師をしていた事。 前触れもなく急に辞めてしまったけど、彼は半年間、私のクラスで英語を教えていたのに。 「あの……――――――」 もうこの話題で会話を繋いでも切ないだけ。 話を割り、彼に振るための別の話題を考える。 しかし、声を掛けてみたものの、私は他の話題を振れるほど言葉のストックを持ち合わせていなかった。 「ん……何?」
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