2◆In nostalgia

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「悪い、今日は先に帰る。」 そう言って、急に立ち上がった左隣の彼。 みんなは彼に注目し、その隣に掛ける私は泣き顔を見られないよう咄嗟に深く俯いた。 「どうした、基之? 今日は朝まで飲もうって言ってたのはお前だろ?」 バンドリーダーのHIKARUさんが怪訝そうな顔をして彼に理由を尋ねる。 きっと他のみんなも、唐突に帰ると言い出した彼の言動に疑問を感じているのだろう。 「いやぁ、だって。 よく考えたら、俺は車だから飲めないし、隣にいる彼女がもう酔っ払っちゃったみたいだしさ。 このまま車で送ってく。」
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