2◆In nostalgia

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彼はすすきのの路上に立ち、くいっと顎を掴んで私の顔を上げる。 昔の彼は言動の全てが優しかった。 だけど今の彼は、言葉も行動も全て強引だ。 「なんで泣いた? あの場で泣けば、みんなが心配する事くらいわかるだろ!? ったく、ガキじゃないんだから……。」 私はもう大人になった。 だけど、そう思っていたのは自分だけだったのかもしれない。 我儘な子ども。 きっと彼の目には、今の私もそう映っている。
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