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彼はすすきのの路上に立ち、くいっと顎を掴んで私の顔を上げる。
昔の彼は言動の全てが優しかった。
だけど今の彼は、言葉も行動も全て強引だ。
「なんで泣いた?
あの場で泣けば、みんなが心配する事くらいわかるだろ!?
ったく、ガキじゃないんだから……。」
私はもう大人になった。
だけど、そう思っていたのは自分だけだったのかもしれない。
我儘な子ども。
きっと彼の目には、今の私もそう映っている。
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