ふわふわより、もっと。

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うん、まだつけなくていいや。 これから寝るんだし、壊しちゃったらやだから。 同じことを橘も考えたみたいで ネックレスと時計が、テーブルに仲良く並ぶ。 お互い顔を見合わせてふって笑って。 「もう寝よっか」 「うん」 よじよじと、橘のベッドに上がる。 でも、橘は動かないまま。 「? どうしたの?寝ないの?」 「あー、寝る、けど。違うところで寝るから、俺」 「え、一緒に寝ないの?」 びっくり。 当然一緒に寝るものだと思ってたのに。 橘はちょっぴり顔を赤くしてて。 「泊まり誘ったとき、そういうのじゃないって言ったでしょ? 家族いるところではそんな気分ならないから大丈夫だと思ってたら、親いないし。」 え、なにそれ。 「すごい今さら」 うん、だって今まで何回もしたのに。 「一応気使ってるんですけど」 「気?」 はて、何だろう? 「あのねぇ、泊まりでしょ。 1回で終わんなくなっちゃうかもしんないし」 「?」 「とにかく、今日はしないから!」 そっか。 別にしなくてもいいんだけど。 「橘の、あったかいのぎゅって出来ないんだ」 体温、あったかくて好きなのに。
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