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「そっか。何食いたい?」
「とまと……」
「ぅえ?」
「……以外。」
「お、おう。」
ヤバイ。
可愛い。と、思う。
『おーい、そろそろ行けるか?』
下から聞こえてきた声に
「今行くー」
と答えて、寝ぼけ眼の岡田をつれて玄関に向かう。
あ、クッキー忘れてた。
1枚岡田の口に運ぶと、器用に食っている。
やっぱ腹減ってたか。
「あれ、まだ眠いのか?」
「みたい」
「パパさん、ママさん、初めまして。
お邪魔してます」
どことなーく間延びした眠そうな声で岡田が挨拶をする。
なんだろう。
この緊張感のなさ。
口の端にクッキーのカスついてるし。
「岡田さん大丈夫?車のなかで寝てていいからね」
「ありがとうございます」
「岡田さんは何食べたいって?」
「………とまと以外だって。」
「ぶはっ、気遣ってくれてんな!
よかったなーお前」
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