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♪キーンコーンカーンコーン♪
「あぁ
やっと授業終わった~」
光流の隣の席で伸びをしながら
「ねっ」
と同意を求める愛実
「ホント疲れた~
やっとお昼だね」
ニコニコしながら教科書をしまい、お弁当を出す光流
愛実もお弁当をだしながら、光流の方を向いた
「ヒカルおべん───
そう声を発しようとした瞬間
「アイミ~
一緒に中庭でお弁当食べよう」
と、違うクラスの女子が話しかける
愛実は光流と食べる予定だったので断ろうとしたとき、光流が愛実を見て首を振った
「あたしは大丈夫だよ
今日ずっとあたしと居てくれたでしょ?
アイミにはアイミの友達が居るんだから、一緒に食べてきて」
笑顔で言う光流が心配だったが
「本当に大丈夫?」
と、首を傾げる愛実
「大丈夫だから、ほら行ってきて」
光流は愛実の背中を押した
「じゃぁ……
ちょっと行っくるね
明日は絶対一緒に食べようね
約束だよ!」
「うん!
約束!」
愛実は名残惜しそうにも、笑顔で光流が言ってくれたので、素直に呼ばれた友達のところへと向かった
光流はそんな愛実に笑顔で手を振った
「さてと
あたしも早くお弁当食べて校内探検(図書室)へと行きますか」
1人で食べるお弁当は虚しくて、半分は残してしまった
「……もういいや
ごちそうさま…」
お弁当箱を片付けて、愛実に書いてもらった校内地図を広げて教室を出た
「えっと…
まず三階に下りないといけないよね」
地図を見ながら階段を探した
階段を下りて三階へ───
また地図を見て方向を確認する
「えっと…こっち……かな…」
とりあえず書いてある通りに進む
───が……………
「ここ……どこ?!」
地図通りに来たのに全く違うところに来ていた
回りを見ると各部活の部室があるだけ
そう、光流は地図とは反対側へと来ていた
オロオロしてる光流を見ていた生徒が1人
「また貴女ですか」
ハァと溜め息が聴こえる
光流が振り返るとそこには
「あっ、朝の人…」
そこには生徒会長の爽志が居た
「あっ、朝はありがとうございます」
光流は爽志に勢いよく頭を下げた
「いえ
それよりまた迷子ですか」
"また"
そう言われるのはしゃくだが確かに迷子だ
「図書室に行きたいのですが場所が…
友達に書いてもらったのですが、違うところに──」
そう言って光流は地図に目を通す
光流が見ていた地図を覗き込むと光流の頭の上から微かに笑う声が───
クスクス
それに気づいた光流が見上げると、軽く口元が緩んだ爽志の顔があった
「(あっ……
笑うとカッコいいかも……)」
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