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「何回言ったら分かるのですか?
学校の規則でスカートは膝から10センチと決まってるんですよ?!」
「おまけしてよ~
今日、学校が終わったら彼氏とデートなの」
「そんなの言い訳にもなりません」
学校の校門で女子生徒と話をしているのは、この学校の生徒会長
黒澤 爽志 -クロサワ ソウシ-
高校二年
黒髪にサラサラヘアーに眼鏡をかけて、いかにも真面目と言った感じのお堅い感じだが──
『また石田さんだ』
『あの人会長のこと好きなんでしょ?』
『だから毎日会長に捕まることしてるんだぁ』
『勇気あるよねぇ』
『そのあと生活指導室で一時間説教でしょ?!』
『でも、あの会長になら怒られてもいいかなぁ』
『だよねぇ』
そう何を隠そうこの会長サマは学校1モテちゃったりもします
見てくれも良く、頭も良く、学校の女子生徒にはかなりの人気者
ファンクラブまであるとかないとか
極めつけに───
「会長!
それ僕たち風紀委員の仕事なので!」
「僕は別に構いません
これも生徒会の仕事だと思っているので」
そう言って今度は違う場所で風紀委員に捕まっている男子生徒の方に向かって行った
「会長!!」
それを追いかける風紀委員達
「どうしたのですか?」
そう言って風紀委員の1人に近づき男子生徒を見る
「げっ!」
その男子生徒は爽志の顔を見るなり嫌な顔した
「おや内藤くん
また貴方ですか」
そう言った爽志はあからさまにわかりやすい溜め息を吐いた
「溜め息を吐きたいのは俺なんだけど
会長さん」
少しビクつきながらも爽志をにらみつける内藤
「ほぉ?!
貴方は溜め息を吐きたくなるほど、この僕に叱られたいと
そう仰っているのですね」
眼鏡を掛けた爽志の瞳はもちろん笑っているはずもなく───
「あ─い、いや──
叱られたいなんて一っっ言も言ってねぇんだけど──」
明らかにビクついている内藤
それもそのはず
この学校ではかなりウワサになっているのだ
『空手、柔道、合気道の有段者』
でもそのウワサは本当のことだ
その証拠に内藤は爽志に肘固めをくらっていた
「翔
貴方が悪いのですよ
貴方も生徒会の一員なのですから、身だしなみには気をつけて頂かないと、生徒会の面目丸潰れです」
涼しい顔をしながら関節技を決めていく爽志
「ギ、ギブギブ──」
そう言って爽志の腕をタップする内藤
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